ファイプロdeレッスル 斉藤・覚醒(2)

斉藤 「う~ん……」

どれくらい気を失っていたのか。

斉藤 「沢崎のヤツ、思い切りやってくれたな……!?」

まだ痛む頭を押さえようとして斉藤は自分の手足が拘束されていることに気付く。
驚いて回りを見渡すが暗くて何も見えない。
が、すぐ側に人の気配を感じて、

斉藤 「真田か沢崎か!?一体どういうつもり……」
?   「お、お目覚めかいアッコちゃん。良く寝てたねえHAHAHA!」

聞いた事のある声がすると同時に明かりが灯る。
闇に慣れた目をきつく閉じ、そしてゆっくりと目を開くと、



Mr.DENSOU


斉藤   「うわぁーーっ!」
DENSOU「グッモーニンだ、アッコちゃん。まあまだ夜は明けてはいないがね!」

斉藤の目の前にいたのは真田でも沢崎でもなく、団体のレフェリーMr.DENSOUだった。
混乱する斉藤に普段と変わらぬ口調でDENSOUは告げる。

DENSOU「プロレスがしたいんだってな。まあ俺に任せておきなよHAHAHA!」

斉藤はその言葉に更に驚く。誰にも話した事もないのに何故知っているのか、と。
その事には触れず、斉藤は目の前の怪しげなレフェリーに問い掛ける。

斉藤   「何を、する気です……?」
真田   「改造ッスよ、斉藤さん」

二人は声のする方に目を向ける。そこには真田と沢崎の二人が立っていた。

沢崎   「いきなり殴ってごめんなさいね、サイトーさん。
      こうでもしないとうんと言わないと思ったから」
真田   「斉藤さんは空手家じゃなくレスラーとしてやっていきたいんッスよね?
      自分もあまり器用じゃないッスからなんとなくわかるッスよ」
斉藤   「……だからと言って……」

そこまで言って言葉を飲み込む。
隠してきたつもりだったが周りはみな気付いていたのか。

DENSOU「まあいいじゃねーか。アッコちゃんの事だからここまで言われたらきっと
      練習して覚えます!くらいは言っちゃうだろ」

DENSOUは息苦しいのかクセなのか、マスクの鼻の部分を軽く押し上げて続ける。

DENSOU「それが正しいんだろうけどな。でも命短しなんとやらとも言うしな。
      ここはおとなしく改造されてくれや、HAHAHAHAHA!」
斉藤   「……!!」





斉藤   「ううう……」
沢崎   「まあまあサイトーさん。犬に噛まれたとでも思って」
DENSOU「準備は出来たぜ。アッコちゃん、リングに上がって真田とスパーリングしてみな」

斉藤は手渡された迷彩色の胴着を着込み、言われるままリングに上がる。
ひどく疲労してはいたが頭だけはすっきりと冴えていた。

斉藤   (改造などにわかには信じがたいが……何だか不思議な気分だ……)

真田と反対側のコーナーに背を預け、ゴングを待つ。

真田   「思い切りいくッスよ、斉藤さん!」




続きます。

上で出てきたMr.DENSOUのイラストはGUYさんに描いて頂きましたよ!
ありがとうさんです!

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