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<<   作成日時 : 2009/05/17 01:14   >>

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東京C区 カタラータ・カルパ事務所内

誰もいない社長室。しかし外から口論のようなものが聞こえる。

「ほ、本当に私がやるのか?」
「そうだよー、だって斉藤さん今の看板選手じゃない。さあ早く早く!」
「こ、心の準備が」
「えーい、まどろっこしいなあ! うりゃ!」
「あっ……!」

よたよたとフレームインしてくる斉藤。ちらりとカメラの方を向く。一度視線をそらし再び向き直り、カメラを指差しながら小声でそれが回っているのかを尋ねる。スタッフが人差し指と親指で丸を作ると慌てて体ごと向きを変える。

「えー、あー……。ど、どうもこんばんは、斉藤彰子です……」

どうにか挨拶らしい台詞を搾り出すと、今度は入口の方に横目で視線を向ける。その先にはにやにや笑っている先代の看板選手が見える。斉藤は軽く眉を顰めると観念したのか咳払いを一つし、

「失礼しました。改めてこんばんは、斉藤彰子です。今日は先日から行われている第三回ヘビーバトル一次リーグの結果をお知らせします」
「表情もせりふも硬いよー!」

茶々が入るが斉藤は無視し、

「我がカタラータ・カルパからは吉原泉選手が出場。戦前の下馬評は芳しいものではありませんでしたが、しかし!」

それで言葉を切ると斉藤は右腕を大きく開き、

「並み居る強豪に苦戦しながらも次々とその必殺のドラゴンスリーパーで勝利をものにしていきました! 私には出来ない関節技! そこに痺れるあこが……うごゎっ!?」
「彰子、嘘ついちゃだめよ」
「おおっ、こ、これは……」

いつの間にか戻ってきていた吉原にコブラツイストを極められる斉藤。吉原は笑顔で締め上げながら、

「私の結果は一勝七敗。まあ一つ勝てただけでもね」
「い、泉さんギ、ギブゥ!?」

吉原は笑顔のまま拷問式にコブラツイストを移行させる。斉藤は声を出す事が出来なくなり、空いた左手で降参の意思表示をする。

「ダメよ彰子、この程度で降参してたら。それはおいといてコメントレスです。ひとあささん、私たちのリーグで唯一の全勝突破おめでとうございます。こういったリーグ戦は沈黙を守るのも相手にプレッシャーを与えるものですけれど、ひとあささんの取られた戦術も十二分に圧力をかけるものだったと思います。選手の実力も申し分ないですし、ぜひこのまま優勝を狙ってくださいね。応援しています。さあ、彰子も何か一言」

力を抜かず斉藤の顔を見る。表情は崩さなかったが吉原の額に一筋の汗が流れる。

「口から何かでてるわね……」

しばらく斉藤の顔を眺めていたが、再びカメラに向き直る。

「それでは今夜はこの辺で。カタラータ・カルパをよろしくお願いしまーす!」

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